「blast 6月号」P.154
闘道館潜入レポート
委員長(以下委)「今回は久々のお店紹介という事で、当委員会きっての格闘技好き、ライムスターのDJジン氏のタレコミにより、ここ水道橋までやって来ました」
DJジン(以下J)「『格闘技通信』で紹介されていたので……史上初の格闘技/プロレス図書館『闘道館』!」
委「『迷わず来いよ! 来ればわかるさ』という事でやって来ました……こちらはいつから営業されてるんですか?」
闘道館館長(以下館)「今年の3月からですね」
委「どのようなきっかけで、こういったお店を始めようと思ったんですか?」
館「ずっと格闘技が好きで、大学でも空手(大道塾)をやってたんですけど、普通に就職して1年半くらい働いたんですよ。でもやっぱり自分で商売がやりたいなと思って、好きな格闘技を絡めて何か出来ないかなと思ったのが動機です。昨年の12月末に会社を辞めて、そこから準備を始めました」
J「脱サラ、ですね……自分の城ですね」
館「ええ、(奥さんと)2人でやってます。貯金をほとんど使いきって、珍しい本などを揃えました。」
J「(ここにある蔵書は)自分で揃えられたんですか?」
館「はい、2人でレンタカーを借りて、古本屋さんを回って仕入れたのが殆どです。時間が許す限り全国を回って集めました。」
J「(こういった商売を始めようと思ったのは)“マンガが好き”というのがあったんですか?」
館「特にそういう訳ではないんですが、梶原一騎先生の『空手バカ一代』とか『プロレス・スーパースター列伝』なんかは初めて読んだマンガだったので、印象に残ってますね」
J「(アントニオ猪木:談)みたいな」
館「そうです、そうです。本当は取材してなかったらしいんですけど(笑)」
J「勝手に作っただろ、その発言っていう(笑)……じゃあ、店を始めようと思ってから買いそろえたんですね」
館「そうですね。あと、雑誌のバック・ナンバーとかは、某有名専門誌が協力してくれたり、店を始めてからは、こちらの送料負担で全国のファンの方から買取っているので、かなりボリュームがでてきました。」
J「ヴィデオもそうですか?」
館「そうですね。格闘技・プロレス関係のものならなんでも値段をつけて買取っています。」J「買い付けで苦労した事って何かありますか?」
館「商品価値の見極めと買取り値段の設定ですね。せっかく貴重なものを持ってきてもらったのにこっちがその価値にきづかなかったら申し訳ないですし、逆にめずらしいからといってすごく高い値段で買取ったのに人気がなく誰からも見向きもせれなっかてもダメだし。でもほとんどの方は買取り価格に満足していただいております。」
J「何かお薦めの本があったら、教えて欲しいんですけど」
館「そうですね……『プロレス・アルバム・シリーズ』っていうのがあるんですよ。ターザン山本が編集してるんですけど、これが彼の出世作と言われているものです」
委「写真集というか、アイドル本みたいな作りですね」
館「そうですね。要所要所に彼らしい味は出てるんですが……あとは、『鉄腕リキヤ』。これは、作者名は入ってないですけど梶原一騎先生のデビュー当時の作品ですね。この名前を使うにあたって、力道山の許可を取るのが大変だったらしいですよ……」
委「発行は昭和31年ですね」
館「まあ、漫画というよりは絵物語ですね。この辺は古本屋でも高いと思います……音楽でもそうなんですよね?」
J「全く一緒ですね。ドーナツ盤でも、ものによっては百万もしますから……こうやっ
て見てみると、格闘技全般が偏りなくコレクションされているという感じなんですが……」
館「そうですね、相撲もケンカも入ってます。」
J「ちなみに、一番好きな格闘家は?」
館「なんといっても、前田日明さんが好きですね」
J「どんな所が?」
館「……真剣に怒るところ。パワー・オブ・ドリーム(自伝)を読んだのが格闘技をやるきっかけになりました。」
J「ハハハ……どうも、酒乱らしいですけど」
館「そうなんですか?」
J「酔うと、シロウトも何も関係ないらしいですよ(笑)……(なおも本棚を見なが
ら)いや、楽しい! 楽しいですよ、ここは」
委「雑誌めくるだけでパンチ・ライン続出だしね。『力しか信じない』とか(笑)」
J「(笑)そうそう……ちょっと聞きたいんですけど、ヴィデオで『グレイシー柔術In Action』ってあったじゃないですか。あれって2巻ありましたっけ?」
館「何パターンか出てますね」
J「ヒクソンのビーチ・ファイトって入ってましたっけ?」
館「木村政彦とエリオがやったやつは入ってるんですけど……」
J「……今からちょっと見せて貰っていいですか(笑)?」
という訳で、レコ屋なみに目を輝かせるDJジン氏でした。『闘道館』は入場料60分で390円(延長戦10分ごとに50円)。ドリンク(猪木コーヒーなど)飲み放題。リラックス・シートあり! 食べ物持ち込みOKと至れり尽くせり。本文中で紹介したレアな漫画や雑誌バック・ナンバーを含め、10,000アイテムの充実した品揃え。ヴィデオも専用シート(使用料300円)で好きなだけ試聴する事が出来る。その他、中古本/ヴィデオの販売、全日本/大日本プロレスのチケットを定価の5%引きで販売……等々格闘技好きにはタマラないお店でしょう。普段はもちろん、後楽園ホールの前後に行くのもいい感じではないでしょうか。「佐山聡の著書に出会えたのがかなりの収穫でした。俺は一人で行きますよ」(DJジン)
※現在は喫茶コーナーはございません。